滋之はこの地方の工場で社会人2年目を迎えた。
すでにこの春には何かおかしい、ということに気がついていた。
去年はひたすら工場で流れ作業。身についたスキルは何もない。
そういえば会社からはボーナスも出なかった。
そもそもこの工場には「3ヶ月間の実地研修」ということを聞かされていた。
この春に高卒の上司にいつまでこの仕事なのか?と聞いたところ、
「上から命令が来るまでだ。それまで黙って働け!」
とのことだった。
滋之は首都圏にある繁華街に一人繰り出した。
学生時代もよく行っていたソープランド。今回は金もたっぷりある。
休日の夜に入ったソープランド。そこで滋之は「惇子」というソープ嬢に出会う。
「いやあ、今日は本当に気持ちよかったよ。惇ちゃんは可愛いし、たっぷり射精したし。」
滋之は惇子の手をとると、
「・・・これからあなたの身に何も起きなければいいけど。」
滋之は妙な気がして、
「えっ?何か気になるの?」
「いや、女の勘ってやつよ。気にしなくていいから。」
しかし惇子には、滋之の今後の人生がどうなるか見抜いていたのかもしれない。
この惇子の直感力は後の株式投資で財を成すときも、大いに力を発揮するのだが・・・。